






イギリス・Sikes (サイクス) 社の、ハイドロメーター (hydrometer) の、残欠です。
19世紀のものだろうと思います。
「残欠」と上記しましたが、一部パーツが欠品し、一部欠損している状態です。
具体的は、錘 (分銅) のうち、「90」と「10」 (単位不明) が欠品していて、
付属の温度計が壊れています。(写真1・2枚目 参照)
(温度計はガラス管が割れているので、紙テープで仮止めしています。)
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ハイドロメーター (hydrometer) とは「液体比重計」あるいは「浮秤 (うきばかり)」と訳させるもので、
「浮力の概念に基づいて液体の相対密度を測定するのに用いられる計器」(Wikipedia) です。
液体 (試料) をメスシリンダーなどの容器に注ぎ、この計器を浮かべて、アルキメデスの原理を用いて、比重を測ったようです。
ちなみに、「Sikes」は人名で、
「Bartholomew Sikes」という、18世紀後半に液体のアルコール含有量を測定できる装置を完成させた人のようです。
イギリスでは長らく (20世紀後半まで)、蒸留酒のアルコール含有量を測定するために、その装置は使われたようで、
この計器も、その一種だろうと思います。
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当初、私は、この計器を、
博物学や化学系の学術・研究用のものかと思っていましたが、
調べてみると、
「牛乳の密度」「液体中の糖分密度」「アルコール度数」等の測定に使われる、いわば 産業用のもの なのでした。
いずれにしても、買い付け旅で見つけると (なかなかの高額でしたが)、その魅力に惹かれて買い求めていました。
(この商品は完品ではなかったので、手頃な?価格で入手できました。)
箱は木製で、樹種はよくわかりませんが、ケヤキのような堅木 (かたぎ) で作られています。
木箱の蓋の中央には、象牙ではないでしょうが、樹脂でもない、鹿角? か 鯨骨?製と思われるプレートが象嵌されていて、
そのプレートには商品名やメーカー名などが刻印されています。 (写真6枚目 参照)
この箱だけでも十分価値があると思います。(個人の感想です。)
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木箱の大きさ (写真5・7枚目 参照)
size≒ W203 x D100 × H52 mm
weight≒456g (木箱を含む全部の重さ)